TOEFL ITPの文法セクションは、留学生が英語で論文やレポートを書くときに間違いやすい文法項目を集めて問題にしています。
なので、頻出パターンが存在します!
ということは、学習した成果が比較的早く実感でき、短期間でスコアを伸ばしやすい分野なのです。
特に、短時間でスコアを伸ばす必要のある人や、リスニングやリーディングが苦手な人は、このセクションで高得点を狙う作戦もありですよ。
知りたいところから読む!
1. TOEFL ITP文法の出題形式は?
TOEFL ITPのSection 2は、Structure and Written Expressionと呼ばれ、2つのパートに分かれています。
Structure 空所完成問題 |
Written Expression 誤所指摘問題 |
|
設問形式 | ・マークシート方式4択問題 ・文中の空所に入る選択肢を選び、文章を完成させます。 |
・マークシート方式4択問題 ・文中の4つの下線部(A, B, C, D)から、語句の使い方が間違っている箇所を選びます。 |
設問数 | 15問(1番-15番) | 25問(16番-40番) |
解答時間 | 25分(40問を25分以内で解きます。) |
2. TOEFL ITP文法では、どんな問題が出るの?
空所完成問題と誤所指摘問題を1問ずつ用意しました。
最も適切な選択肢を選んだら、「解答&解説」のタブをクリックして、解説を読んでください。
指示文
( ) resentments and antagonisms that fed these conflicts predated the American Revolution.
(A) Of many
(B) Many of the
(C) Many were
(D) There were many
(A) Of many
(B) Many of the
(C) Many were
(D) There were many
正答:(B) Many of the
(Many of the) resentments and antagonisms (that fed these conflicts) predated the American Revolution.
主語(主語の説明)動詞 目的語の文構造ですね。
これは、難易度低の問題でした。
空所完成問題では、文構造(SVOC)を把握する習慣をつけてくださいね。
他の選択肢がどうしてダメなのかを考えることも大切です。
他の選択肢のどこが間違っているのかを見ていきましょう。
(A)のOf manyを空欄に入れると、次のような文になり、主語になる名詞がありません。
(Of many resentments and antagonisms) (that fed these conflicts) predated the American Revolution.
これはよく問われるパターンです。前置詞+名詞は修飾語句ですから文の要素であるSVOCにはなれません。
前置詞で始まる主語はないと覚えておきましょう。
(C)のMany wereと(D)There were manyは、wereという動詞があるので使えません。(この文の動詞はpredatedです。)
指示文
Alike biological psychology, cognitive psychology is broad in its scope and often involves collaborations among people from a diverse range of disciplinary backgrounds.
(A) Alike
(B) its
(C) involves
(D) backgrounds
(注)本番のテストでは、下線部の真下にABCDの記号があります。
間違っている箇所:(A) Alike (正しい形は、Like)
Like biological psychology, cognitive psychology is broad in its scope and often involves collaborations among people from a diverse range of disciplinary backgrounds.
alikeは、”A and B are alike.”のように補語の位置でしか使えない形容詞です。
このタイプの形容詞は”形容詞+名詞”の形では使えませんから、”alike + 名詞”が誤りです。
接頭語 a-の付く形容詞 alone, asleep, alive, awake, awareなども、alikeと同じように、名詞の前には来ないことを覚えておきましょう。
これは、難易度低の問題でした。
誤所指摘問題では、単語の使い方を問う問題がよく聞かれます。
留学生の書く英語の間違いにはパターンがありますので、ここでも頻出パターンがあります。
頻出パターンにすぐに反応できるようになるまで、知識を自分の中に落とし込めば、大きな得点源になりますよ。
最終的には、自分の英語を自分で訂正できるようになることを目指してくださいね。
3. TOEFL ITP 文法問題の着目点は?
TOEFL文法問題の着目点は、意味よりも形です。
自分の書いた英語を訂正するときにも形に注意を払いますから、同じ考え方ですね。
1番-15番はStructureに関する問題です。
Structureは文構造という意味なので、文構造(文型や接続詞の有無など)と品詞に最大の注意を払いましょう。
16番-40番はWritten Expressionに関する問題です。
Written Expressionは語法に関する問題です。3単現の-sや名詞の数、単語の使い方、スタイルなどに着目する問題が出ます。
語法に関して確認が必要な項目はいくつもありますが、
着目点を確認する作業に慣れてくれば、間違った箇所を自分で正しい形に訂正できるようになります。
そこまでいけば、確信をもって間違いを指摘することができます。
おまけに、自分の書いた文章を自分で訂正できるようにもなります。
まさに、一石二鳥です。
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(ただし、基礎が固まる前に使っても、効果はありません。)
- 27のパワフルコードを駆使して、TOEFL文法セクションを素早く正確に解く訓練をします。
- StructureとWritten Expressionの終わりに、「基礎・標準・やや難の3つのレベルの問題演習」+最終章で「模試4回分の実践練習」を行うことができます。
- 解説でどのパワフルコードの問題が間違ったのかがわかるので、「問題を解く+パワフルコードの復習」のサイクルを何度も繰り返すことで、凡ミスをなくし、きちんと理解した上で正答できる問題数を増やしましょう。
4. TOEFL ITP 文法問題の難易度は?
実は、問題番号と難易度には、一定の傾向があります。
(あくまでも傾向ですので、絶対的な決まりではありませんが、問題を解く際の参考にはなると思います。)
6番~10番:6割から7割程度の受験生が正解できる難易度中の問題が中心になります。
11番~15番:半数以上の受験生が間違う難易度高の問題が中心になります。
16番~20番(テストによっては~22番くらい):80%以上の受験生が正解できる難易度低の問題が出題される傾向にあります。
これ以降は難易度中と難易度高の問題が出題されます。
語法のパートは、後半の問題でも着目点がわかれば正解できる問題も結構あります。
時間切れになって10問残ったなんてことがないように、時間管理も大切にしたいですね。
TOEFL ITPの総合問題集
文法は個別スキルの練習問題があり、本番形式の問題(1セット40問)は 7セット解けます。
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次は、問題番号と難易度の関係性を考慮して、制限時間内で正答できる問題の数を増やす解き方の順番を見ていきます。
5. TOEFL ITP文法 (Section 2)を制限時間の25分で解く順番は?
TOEFL ITPの学内試験の後「時間が足りなくて、最後の10問くらい残りました」という話をよく聞きます。
よくあるパターンは、
- 出題傾向を知らなくて、あれもこれも正しいように思え、答えを選ぶのに時間を使いすぎてしまう。
- 1番の問題から順番に解き、11番から15番の高得点者用の問題に時間を使いすぎてしまうため、16番からの間違い探しの問題を解く時間が足りない。
あなたの得意・不得意を理解して、問題を解く順番と時間管理をしっかりやれば、時間内に解けない問題の数がぐっと減らせます。
まず、あなたの正解率を1番~15番と16番~40番で比べましょう。
-
- どちらの方が得意ですか。
- StructureとWritten Expression、それぞれのパートで正解率が低くなるのは何番くらいからですか。
ケース 1Structure(空所完成問題)が得意だけど11番以降は解くのに時間がかかり、Written Expression(誤所指摘問題)はあまり正解率が高くない
1番から10番 > 16番から40番 > 11番から15番の順番で解くことをおすすめします。(答えをマークする番号を間違わないにしてくださいね。)
ポイントは、難易度の高い11番から15番の問題で時間を使いすぎないことです。
ケース 2Written Expression(誤所指摘問題)の方が正解率が高い
16番から40番 > 1番から15番の順番で解くことをおすすめします。
ポイントは、時間が足りなくなっても、難易度の高い11番から15番の問題が残るのでスコアへの影響が少ないことです。
重要ポイント 1あなたにとって難しすぎる問題に時間を使いすぎないように。効率的に時間を使うことを意識しましょう。
重要ポイント 2凡ミスをなくし、簡単な問題は必ず正解しましょう。
答え合わせをすると、なんでこんな簡単な問題ができなかったんだろうと思うことはありませんか?
練習するときに、感覚で答えを選ぶのではなく、どうしてその答えになるのか、どうして他の選択肢ではダメなのか、根拠を考えるように訓練してくださいね。
6. TOEFL ITP文法セクションの時間配分は?
理想的な時間配分は、
- 空所完成問題(1番から15番) 10~12分
- 誤所指摘問題(16番から40番) 15~13分 だと言われています。
実際にどういう風に時間を使うかは、前半と後半で、使った時間と正解率を分析して決めるといいのではないかと思います。
あなたの強みが一番活かせるように、時間配分のパターンをいろいろと工夫してみてください!
7. おまけ:TOEFL ITPではどうして文法の問題が出るの?
TOEFL iBTを受験したことのある人がTOEFL ITPを受けて一番戸惑うのが、この文法セクションと言えるでしょう。
これまで文法の勉強をあまりしたことがなく、感覚に頼って選択肢を選ぶ学生さんが苦戦するセクションです。
では、なぜTOEFL ITPには文法セクションがあるのでしょうか。
前述したように、TOEFL ITPの文法セクションは、留学生がエッセイやレポートを書くときに間違いやすい文法項目を集めて問題にしています。
TOEFLで問われる文法をきちんと理解し、応用できるようになれば、
1.英語を書く際に、英語の語順で文章を書くことができます。(1‐15番の問題で養える力)
2.自分の書いた英文を見直して、自分で訂正することができるようになります。(16‐40番の問題で養える力)
読み手に優しい、間違いの少ない文章を書けるようになるという気持ちで文法問題に取り組むと、学習効率が上がりますよ。
あなたのWriting力を向上するためにも、文法セクションで学ぶ内容を活かしてくださいね!
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